天然繊維・綿は南国生まれ!わずか数ミリの差がランクを分ける!

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天然繊維・綿は南国生まれ!わずか数ミリの差がランクを分ける!

私たちの生活に欠かせない繊維のひとつ、綿(コットン)。綿にもたくさんの種類があって、さらに非常に万能な素材のため、つむぎ方や織り方によって様々な特徴があります。

植物としての綿

綿は英語で「コットン」、植物学上はあおい科ワタ属に属し、同じ株から何度も花を咲かせる多年草です。クリーム色をしたかわいい花を咲かせますが、寿命はとても短く、3日ほどで地面に落ちてしまいます。その後、青い実がなって成熟すると、中から白いわたで溢れてきます。この種を守るための白くてふわふわしたものを「種子毛(しゅしもう)」といい、丸い形状からコットンボールとも呼ばれています。コットンボールは保温性や通気性、弾力性に優れていて、その性質を利用して綿製品は作られています。

綿は南国生まれ!ルーツはメキシコ⁉︎

綿の原産地は世界中の熱帯・亜熱帯地域で、中国、インド、米国、パキスタン、ブラジル、ウズベキスタンが生産地として知られています。これらの周辺地域では古くから綿が栽培されていました。

起源ははっきりとわかっていないものの、紀元前5800年頃にメキシコの遺跡から果実が発掘され、紀元前5000年頃に同じくメキシコのテワカン渓谷から綿布の切れ端が発見されています。パキスタンのモヘンジョ・ダロ遺跡でも紀元前2500年の綿布が発見が発見されており、その後、アラビア商人によってヨーロッパにもたらされたと考えられています。

綿は基本的には暖かい地域での栽培が向いている植物です。そのため日本には8世紀頃に一度伝来しますが、うまく栽培できず、中国からの輸入に頼っていたため当時の綿は高級品でした。戦国時代を経て栽培のコツをつかみ、日本でも生産されるようになりました。

それぞれの産地で綿の種類と品質は異なります。綿は繊維の長さで品質が決まっていて、短繊維、中繊維、長繊維の3種類と産地について説明します。

綿の長さ:わずか数ミリの違いで品質が変わる

栽培されている場所によって綿の繊維長(繊維の長さ)が異なり、繊維長が長いと細く柔らかな糸を作り出すことができます。綿の繊維が短いものは短繊維、長いものは長繊維、その中間のものを中繊維と呼びます。短繊維は少し毛羽がありざっくりとしていて柔らかく、長繊維はなめらかな肌ざわりとシルクのような光沢があります。

長繊維よりも長いものを超長綿(ちょうちょうめん)といい、綿花のうちたった5%しか生産できない希少価値の高いものです。長さの差はわずか数ミリですが、繊維が長いほど綿の等級が上がります。

    • 短繊維 21mm以下
    • 中繊維 21〜28mm未満
    • 長繊維 28〜35mm未満
    • 超長綿 35mm以上

短繊維
明確な定義はありませんが、一般的に繊維の長さが21mm以下のものを単繊維と呼びます。繊維が短いため紡績に向かず、糸にされることはありません。ただし太くて丈夫な繊維が特徴で、脱脂綿、クッションや布団の詰め物、不織布の原料に利用されます。インド・パキスタンなど南アジア在来の「デシ綿」は弾力性に富み、和綿の多くも短繊維綿に分類されます。

中繊維
短繊維種と長繊維種のちょうど中間に位置し、綿の平均の長さが22~28mm未満のものは一般的な品質で、中繊維に分類されます。世界の綿の3/4以上を占めるといわれる「アップランド綿」が中繊維の代表格です。アメリカやロシア、オーストラリアなどで栽培されていて、綿で作られる衣類のほとんどはこのアップランド綿から作られています。

長繊維
繊維の長さが28~35mm未満のものは長繊維とされています。繊維が細く長く、シルクのように非常に繊細で、生産量は8%ほどしかなく、希少な高級品とされています。「スーピマ綿」や「エジプト綿」などがあり、綿の中でもかなり希少です。

超長綿
綿花の繊維は長さが長いほど細くなって手ざわりも良く、糸にすると反射率が高くしなやかな光沢があり、強い糸になります。綿花の全生産量のうちたった5%しか生産できない希少価値の高い綿です。
世界3大コットンとして、アメリカ産超長綿ブランドのスーピマ綿、エジプトのナイル川のデルタ地帯で栽培されるギザ綿、中国の新疆綿(しんきょうめん)が知られています。そのほかにも、西インド諸島・カリブ海周辺の海島綿(シーアイランドコットン)、ペルーのピマ・コットン、インドのタミル・ナードゥ州の農家で生産されるスビンも有名です。

糸の重さ:数字が大きくなるほど糸が細い綿番手

次に、糸の重さと太さの関係を理解しましょう。

糸の太さを表す単位として番手(ばんて)というものがあります。番手とは 「糸の太さ」を表すものですが、正確には糸の太さではありません。糸の太さを直接はかるのは困難なので,その長さと重さの関係で表わす単位です。番手には上述の繊維の長さも関係していて、基本的には短繊維は太めの糸、長繊維は細めの糸になります。

綿番手は、数字が大きくになるにつれて糸が細くなり、滑らかさとツヤが増していきます。1ポンド(約453g)の重さで1ハンク(840ヤード、約768m)の長さを「1番手」と定めています。そして1ポンドの重さで1680ヤードの長さとなるものを2番手、1ポンドの重さで長さが8400ヤードあれば10番手です。つまり10番手の糸は、1番手の糸よりも軽い(細い)糸ということになります。

生地の織り方:生地の織り方は3種類しかない

綿に限った話ではありませんが、生地の織り方は「織りの3原組織」という、「平織り」「綾織り」「繻子織り(しゅすおり、朱子織り)」のこの3種類しかありません。使っている糸の種類や、加工によって呼び名が変わるため、この3種類の織り組織を応用した生地がたくさんあります。

綿の平織り、綾織り、繻子織りには以下のような種類があります。

平織り
経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が一本ずつ交差して織られる生地

    • 柔らかなガーゼ
    • シャツ生地で有名なオックスフォード
    • 上品で高級感のある風合いのオーガンジー
    • 経糸に色糸を使ったシャンブレー
    • ハンカチなどで使われるローン
    • 横畝(よこうね)があるブロード
    • ドビー織機で織った変わり織りのドビー


綾織り
経糸何本かに対して、緯糸1本の割合で織られる生地

    • 丈夫で身近なデニム
    • 滑らかで光沢感があるギャバジン
    • 太く縒り合わせた綿糸で織られたツイード
    • さらっと気持ちのいいダンガリー
    • 生地の片面もしくは両面を起毛させたフランネル(ネル)


繻子織り
経糸・緯糸ともに5本ずつで織られている生地

    • 上品な光沢と張りのあるサテン

なお、セーターやTシャツ、カットソー、ジャージなどで使われる生地は「編み物」ですので、織り物とは異なります。

綿の特徴 メリット&デメリット

①柔らかな肌ざわり
種を守るための綿は、繊維の先端が丸みを帯びていて、ふわふわと抜群の柔らかさがあります。肌に直接触れるインナーや、赤ちゃん用の衣類、脱脂綿などにも利用されるほど、気持ちの良い肌ざわりが特徴です。オーガニックコットンやカラードコットンは安全性に優れているため、肌が弱い方でも安心です。

②吸水性と通気性
麻(リネン)のように綿より優れた吸水性を持つ繊維もありますが、それでも綿は化学繊維に比べて優れた吸水性と発散性をがあります。綿の断面を見ると、数珠状の丸がたくさん並んだ形をしています。この丸の中心が空洞になっていて、水分をたっぷり含むのです。汗をよく吸い取り、吸収した水分は外に発散されるので、通気性にも優れています。

③暖かさと涼しさ
綿の繊維がマカロニのように空洞になっているため、熱を伝導する力は低いです。冬なら衣類にたまった体温を逃さず、暖かさを保ってくれます。夏は暑くなると思ってしまうかもしれませんが、汗を吸収して放出するときに気化熱が発生し、温度を下げる性質があります。そのため体温が下がったように感じ、夏も快適に着ることができるのです。

④耐熱性と強度
綿はミトンや雑巾に使われているように、耐熱性に優れ、強度のある繊維です。熱に当てても溶けたりせず、水に濡れるとさらに強度が増すため、洗濯を繰り返しても傷みにくく、長く使用できます。シャツなどもしっかりとアイロンをかけることができます。

⑤染色しやすく発色も良い
綿は染料もよく吸収し、しっかり染まり、発色性に富んでいます。染色性に優れているため、様々な染め方ができます。繊維・糸の状態で染める先染め、布の状態で染める後染め、製品化してから染める製品染めも、綿なら可能です。また、綿は漂白剤も浸透しやすいので、汚れを落としやすいというメリットもあります。

⑥値段が手頃で身近な存在
化学繊維に比べれば綿の価格は高めですが、他の天然繊維に比べて値段が手頃で、手に取りやすい価格帯です。綿の品質によって、超長綿のような高級品も選ぶこともできます。

オーガニックコットン
オーガニック農産物等の生産方法についての基準を守り、2~3年以上のオーガニック生産の実践を経て、認証機関の認定を受けたファームで栽培された綿花のことです。栽培に使われる農薬・肥料の厳格な基準を守って育てられた綿花で、生産から加工までの工程全てにおいて化学薬品の使用を控えています。

カラードコットン
綿といえば白い色を思い浮かべる方が多いと多いますが、これは市場で染色や漂白しやすい白が好まれたことで品種改良が進み、色付きの綿が減少したためです。本来の天然綿花(天然有色綿)は、繊維の中心に色素が定着しています。カラードコットンは天然の色合いとして綿花自体に初めから色がついていて、現在はブラウン系やグリーン系が存在します。

× すぐシワになり、縮むこともある
綿は中空繊維のため縮みやすく、シワになりやすい素材です。吸水性に優れていることが逆効果になってしまい、水分を大量に含むと体積が増えて膨張し、糸が太くなってしまいます。引っ張られた糸は長さが短くなり、そのまま乾燥すると繊維も一緒に縮んでしてしまう場合があります。また、水分を含むとシワになりやすいため、アイロンがけが必要です。

× 目立つ黄ばみ
染色しやすいメリットが逆効果になってしまい、色が入りやすく、黄ばみや汚れがシミになってしまいます。ただ、汚れが落としやすい特徴もあるので、こまめな洗濯で予防することもできます。直射日光や紫外線に当て続けると強度が下がるので、注意しましょう。

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