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指定外繊維を知る – ユーカリから生まれたリヨセル(テンセル)はエコロジカルで地球にやさしい再生繊維

指定外繊維を知る – ユーカリから生まれたリヨセル(テンセル)はエコロジカルで地球にやさしい再生繊維

「指定外繊維」という言葉をご存知でしょうか。以前使われていた家庭用品品質表示の指定用語のひとつです。

繊維の名称や混用率を表示するときに使われていた指定外繊維。2017年に「家庭用品品質表示法」が見直されて、指定外繊維という表示は廃止され、現在は異なる表示になっています。

指定外繊維はどのような表示方法になったのか、代表的な指定外繊維のリヨセル(テンセル)を例に、ご説明します。

2017年4月1日に「家庭用品品質表示法」が改正施行され、1年の経過措置期間を経て、2018年4月1日より完全移行されました。この改正では繊維製品の表示方法が一部変更されています。また、同時に洗濯絵表示が変更されたことを覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

参考記事
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服についている品質表示タグと、組成表示

洋服や肌着についている品質表示タグを確認してみると、「綿100%」や「綿50% レーヨン50%」と書かれています。これは「組成表示」といって、その製品に使われている繊維の名称と、その製品全体への混用率が記載されているのです。

この品質表示タグに記載されている内容は、経済産業省が昭和37年に定めた家庭用品品質表示法に基づいています。消費者が正しい情報提供を受けて製品を購入し、消費者を家庭用品についてのトラブルから保護するために、事業者側が必ず開示しなくてはいけない情報として、組成表示が義務付けられています。

2017年4月に改正された家庭用品品質表示法では、この組成表示に記載する「指定用語」が見直されたのです。

繊維の名称を表す「指定用語」の見直し

繊維の名称は、定められた用語(指定用語)を使うルールとなっています。例えば綿を使った製品の場合、表示は「綿」「コットン」「COTTON」です。

組成表示に、指定用語や主要繊維の種類一覧にない繊維の名称を記載する場合、「指定外繊維」という表記をしていました。2017年の法改正前までは指定外繊維の後ろに( )カッコをつけて、指定用語にない繊維の名称を記載していました。この指定外繊維、どんな繊維なのかが消費者にわかりにくいため、法改正で見直されることになったのです。

改正前) 指定外繊維(リヨセル) 100%
改正後) 再生繊維(リヨセル) 100%

新しく開発された繊維で、家庭用品品質表示法で定義されていない繊維は、指定外繊維に分類されていました。そう、テンセルとリヨセルは当時新しい繊維だったため、指定用語になく、種類一覧の分類にも属さず、「指定外繊維」として表示されていたのです。

指定外繊維だったリヨセルとテンセル

指定外繊維にはいくつかありますが、有名な繊維はリヨセルとテンセルではないでしょうか。

リヨセルはオーストリアのレンチング社、テンセルはイギリスのコートルズ社の商標として登録されていましたが、2004年に両社が合併し、ブランド名をテンセル、総称としてリヨセルを使用するようになりました。リヨセルとテンセルでは、テンセルの方が馴染みがある方も多いかもしれません。名称が違っても、リヨセルとテンセルは同じ繊維です。

リヨセル(テンセル)は、ユーカリ(木材)を特殊な溶剤で溶かして作る製法(溶剤紡糸法)で製造した再生繊維です。そのため2007年の法改正で、指定用語が「指定外繊維」から「再生繊維」として表記されることになりました。

化学繊維のひとつ、「再生繊維」とは?

繊維は大きく「天然繊維」と「化学繊維」の2種類に分類されます。天然繊維には綿や絹、ウールなどが分類されています。対して化学繊維には、ナイロンやポリエステル、アクリルなどの繊維が分類されています。

化学繊維は科学的・人工的に開発された繊維で、使用する原料(石炭、石油、天然ガス、ガラス、金属など)や製法によって合成繊維、再生繊維、半合成繊維、無機繊維に大別されます。化学繊維のひとつである再生繊維は、植物繊維の主成分・セルロースを溶剤や化学薬品で溶かし、人工的に繊維として再生させて紡ぎ出したものです。

地球環境にやさしいエコロジカルなリヨセル(テンセル)

合成繊維のナイロンやポリエステルは石油を原料としていますが、リヨセル(テンセル)はユーカリの木を原料に、木材パルプからセルロースを精製し、それを特殊な溶剤に溶かす製法で紡ぎ出されています。つまり、綿と同じ成分で作られるため肌触りがよく、とても天然繊維に近い化学繊維なのです。

溶剤は自然や人体に無害なものを使用し、回収して99%以上が再利用されるため、工場の外に廃液が放出されず、地球環境にやさしいエコロジカルな繊維でもあります。

また、リヨセル(テンセル)は土に埋めておけば微生物に分解されて、土に戻り、原料となるユーカリ(木材)を育てるため、自然な循環サイクルにも寄与しています。

テンセルの特徴

    • 肌触りがよく、柔らかな風合い
    • 光沢があり、染色性に優れて発色しやすい
    • 化学繊維の中でも吸湿性が高い
    • 濡れた時でも強度がほぼ変わらない
    • 再生繊維の中では洗濯による縮みが少ない
    • 摩擦に弱く、劣化を早めてしまう
    • 洗濯後にねじれが出ることがある
    • 毛羽立ちや白化しやすい
    • 濡れると風合いが固くなる場合がある

まとめ

今回は以前使用されていた「指定外繊維」について特集しました。

現在は使われていないため、見かけることも少なくなった指定外繊維ですが、古い製品には表示されていることがあります。その製品がどのような繊維でできてるかを確認することで、お手入れの方法や特徴を理解することができます。品質表示タグの組成表示をぜひ確認してみてくださいね。