毛・毛・毛!ウール・カシミヤ・アルパカ・キャメル・アンゴラ・モヘヤ

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寒い冬の日に恋しくなる「ウール」。ふわふわと柔らかい手触りで、ぬくぬく暖かい♪ニットやセーターを着れば、北風が冷たい日でも暖かく過ごせます。

そんな「ウール」と「毛」の衣類表示の違いをご存じですか?同じようで違う、ウールと毛の違いをご説明します。

「毛」は羊毛だけじゃない

繊維製品の品質表示は法律で決まっている!

セーターの素材が「毛」と書かれていたら、まず最初に「ウール」を思い浮かべませんか?でも、本当に「毛」は「ウール」なのでしょうか。

消費者庁の家庭用品品質表示法は、一般消費者に対して繊維製品を販売するときに品質表示をすることを規定しています。アパレルメーカーがセーターを販売するなら、そのセーターがどんな繊維でできているのか、品質表示タグ(ラベル)をつけなければいけません。また、繊維の名称には指定用語(表示名)が決められており、指定された方法で表記しなければなりません。

では、「ウール」や「毛」にはどんな指定用語が決められているのでしょうか。

カシミヤ・アルパカ・キャメル・アンゴラ・モヘヤも、毛!

家庭用品品質表示法で指定された繊維の表記を下の表にまとめました。これを確認すると、「毛」は羊毛(ウール)だけでなく、カシミヤも、モヘヤ、キャメル、アルパカなども含まれていることがわかります。「毛」というのは動物繊維の中でも「動物の毛全般」のことを表していて、他の天然繊維や化学繊維と区別しているわけです。

ちなみに動物繊維(獣毛繊維、タンパク質高分子)には、動物の毛以外に「蚕の繭繊維=絹」や「羽毛」もあります。

なぜカシミヤは「毛」ではなく「カシミヤ」と表記するのか

たとえば、カシミヤは「カシミヤ」という表示だけでなく「毛」と表示することも可能だということです。同じようにアンゴラも毛と表記することができますが、カシミヤやアンゴラを使って作られたセーターなどの繊維製品で、品質表示タグに「毛」と表記することはほとんどありません。

カシミヤなら「カシミヤ」、アンゴラなら「アンゴラ」と、「毛」とまとめて表記するのではなく個別に指定された名称で表記する方が、その製品に使われている繊維素材が消費者に伝わりやすいですし、高級な動物繊維であるカシミヤやアンゴラをあえて「毛」と表示することは少ないのです。

ウール(羊毛)

「毛」の代表!世界中で愛されるメリノウール

ウール (wool) は、羊の体に生えている毛(=羊毛、ようもう)を刈り取って原料とする、代表的な動物繊維です。

羊の種類は約3,000種もあるとされていますが、繊維としてのウールは一般的にメリノ種の羊毛のことを指しています。世界で最大の羊毛生産地はオーストラリア・ニュージーランドで、オーストラリアで飼育されている羊の約3/4、生産される羊毛の約75%がメリノ種と言われており、日本の輸入羊毛の約80%もメリノ種です。

豆知識: メリノ種?
羊の毛の色が褐色や黒色で、衣類の材料にするには不適当であったのを、年月をかけて交配を繰り返して白色になった羊。もともとはヨーロッパのイベリア半島で、ローマのタレンティーネ種とアジア系・北アフリカ系・半島土着種を科学的に交配し開発した羊が原型です。毛が細くて繊細、美しい光沢があり、白くて染色に向いており、とても柔らかい触り心地が特徴です。

ウールの特徴

    • 高い保温性 – 熱伝導率が少なく保湿性に優れ、冬は暖かく夏は涼しい
    • 高い伸縮性 – ストレッチ性があるが、扱い方やお手入れによっては伸びやすい
    • 適度な吸湿性と撥水性 – 湿気を吸収するのに水をはじく性質もある
    • 弾力性と記憶形状性がある – シワになりにくい
    • 染色性がよく、色落ちしにくい – 染めやすいのに、浸透すると色落ちしにくい
    • 燃えにくい
    • ピリング(毛玉)になりやすい – 毛羽立ちやすい
    • フェルト化する – 揉み込んだり、圧力などを受けると、繊維が絡んでフェルト状になる

お手入れ・取り扱いの注意

    • 虫害を受けやすいため、長期保管時は洗濯して防虫剤を使用するなど注意が必要です。
    • 着用中の摩擦で毛羽立ちが発生しやすく毛玉になりやすいため、着用後はブラッシングして毛並みを揃えたり、毛玉取り器で毛玉を取り除いてください。
    • 水の影響を受けやすいので、一般的には水洗い洗濯は避けてください。ただし、ウォシャブル加工製品や、防縮加工を施したものは水洗い洗濯ができます。
    • 梳毛織物はアタリが出やすいので、アイロンは当て布が必要です。

カシミヤ

カシミヤとカシミア、どちらが正しいの?

カシミヤ(cashmere)の呼び方は、カシミヤもカシミアも間違いではありません。ただ、上述の家庭用品品質表示法の指定用語では「カシミヤ」と表記されるため、カシミアではなくカシミヤが一般的に使用されています。

高級繊維のひとつ、繊維の宝石と呼ばれるカシミヤ

カシミヤは、インドの北部高山地帯にあるカシミール(Kashmir)地方の古い綴りに由来しています。カシミール地方にあるヒマラヤ山脈は過酷な環境にも関わらず、カシミヤ山羊が生息しています。このカシミヤ山羊から取れるカシミヤは世界最高峰のカシミヤとされ、とても軽いので厚手のコートでも軽い着心地でストレスがありません。高い保温性と上品な光沢、独特なヌメリ感のある毛質に特徴があり、「繊維の宝石」とも言われています。

カシミヤ山羊は寒暖の厳しい環境の下で生きているため、表面は粗毛で覆われており、その下に柔毛が密生しています。1頭のカシミヤ山羊からとれる柔毛は150~250gほど。セーターを作るにはヤギ約4頭分の毛が必要となり、生産量が少ないことから、高価で希少な高級繊維となっています。

カシミヤの特徴

    • 軽さとしなやかさ – 直径14.5~16.5ミクロンと繊維が細く(人の毛は約60μ~100μ、ウールは20μ~30μ)、軽く柔らかく着心地がいい
    • 高い保温性と放湿性 – 外気を遮断して熱を保つ保温性に優れ、湿度を調整してムレを防ぐ機能性の高さ
    • 独特のぬめり感と光沢 – カシミヤにしかない滑らかで弾力のある風合いと上品な光沢がある

お手入れ・取り扱いの注意

    • お手入れ・取り扱いの注意は、基本的にはウールと同じです。カシミヤも虫害を受けやすいので、保管時は防虫剤を使用しましょう。
    • 極細繊維であるために毛羽立ち・毛玉ができやすいので、着用後は柔らかいブラシで表面のホコリやゴミを優しく払って毛並みを揃え、風を通して湿気を取り除いてください。
    • 着心地がいいため毎日着続けたくなりますが、1日着用したら数日は休ませましょう。
    • 汚れや汗を放置していると変色や虫食いの原因になります。汚れや汗は、固く絞ったタオルで擦らないようにすぐにふき取ってください。
    • クリーニングを繰り返すと、カシミア独自の風合いが損なわれていきます。できるだけ汚さないように丁寧に着用しましょう。

アルパカとビキューナ

アルパカはラクダ類ラマ属のアルパカから取れる繊維で、アルパカの仲間のビクーニャから取れる「ビキューナ」という動物繊維もあります。最近では、両者の生息地(アルゼンチン・チリ・ペルー・ボリビアなど)がほぼ同一であることから、ビクーニャが原種で、家畜化されたものがアルパカという説が有力とされているそうです。

日本では動物のことをビクーニャ、体毛で作られた製品は「ビキューナ」と呼ぶことが多いため、本記事でもそれに倣って記載します。

ウールよりも保温性が高いアルパカ

カシミヤと並ぶ人気のアルパカ。南米アンデス山脈の高原地帯(海抜3,500~4,000メートル)では毛を利用するための家畜として放牧されていて、全体の70%がペルーに生息しているそうです。愛くるしい表情と外見から人気の高いアルパカは、古くから良質な毛が重宝されてきました。

寒暖差の厳しいアンデスの自然環境で生き抜くため、アルパカの毛は細く、繊維の一本一本がストローのように空洞になっているので保温性と放散性、保湿性に優れ、絹のような光沢があり、長い毛足のために他の動物繊維に比べて毛玉ができにくい特徴があります。カシミヤよりも世界での流通量が少なく、貴重な繊維です。

アルパカ素材のランク(国際アルパカ協会)

    • スーパーベビー: 最も細い20.0ミクロン以下の繊維で、希少性が高いことからプレミアムアルパカとも呼ばれます。
    • ベビーアルパカ : 繊維の細さが20.1~23ミクロンで、必ずしも子どもの毛・初めて刈られた毛というわけではありません。
    • ファイン : 繊維の細さが23.1~26.5ミクロン
    • ミディアム : 繊維の細さが26.6~29.0ミクロン

神の繊維・アンデスの女王 ビクーニャ(ビキューナ)

インカ帝国時代は王族の衣装のみに用いられ、「神の繊維」とも「アンデスの女王」とも称されていた、ビクーニャ。その毛はカシミヤよりも細く、10μ~15μ程度。繊細な毛は軽く、なめらかな手触りで、保温性・保湿性に優れています。

ビクーニャは警戒心が強いため家畜化しにくく、そのせいでスペイン植民地時代に毛皮を狙った乱獲・密猟によって生息数を減らしてしまいました。現在は捕獲が禁止されており、ワシントン条約附属書I・Ⅱにも掲載されています。この条約によって商用の流通が制限されているため、ビクーニャの毛は生きたまま刈り取られたもので、かつ認められた地域の個体群であること、政府が発行する証明書付きで、定められたロゴが表示された製品でなければなりません。

また、ビクーニャは十分な長さの毛を刈り取るために2年に一度しか毛の刈り込みは許可されておらず、しかも1回の刈り込みで1頭につき体毛が250〜350g程度しか取れません。だからビクーニャからとれた繊維「ビキューナ」の毛織物は、「毛」製品の中で最高級品とされ、幻の超高級繊維として取引されているのです。

お手入れ・取り扱いの注意

    • ウールなどと同様に虫害を受けやすいため、保管時は風通しが良く、湿気の少ない場所で防虫剤を使用しましょう。
    • 長毛のために毛乱れが発生しやすいので、着用後は軽くはたいてホコリを落とし、ブラッシングして毛並みを揃えてください。
    • アルパカの毛は水分やニオイを寄せ付けにくく、お手入れは比較的簡単です。何度も洗濯するのではなく、シーズン終了後にクリーニングに出すことがおすすめです。

キャメル

ふたこぶラクダの希少な毛 = キャメル

ラクダには、ひとこぶラクダとふたこぶラクダの2種類がいます。西アジア〜アラビア・アフリカに生息するひとこぶラクダは耐暑性があり、毛が短くて太いため、繊維として利用することはほとんどありません。

モンゴル・中央アジアに生息するふたこぶラクダは耐寒性があり、刺毛(さしげ)の下に生える長くて軽くて細い毛が、「キャメルヘア」として利用されています。ふたこぶラクダは春になると脱毛するため、キャメルを熊手のようなものでかき集めます。1頭のラクダから年間8~10キログラムの毛が採取できます。ただし、生産量はウールのわずか0.1%程度のため、希少な繊維のひとつです。

年間の寒暖差が80度以上もあるような環境にいるため、キャメルは強靭でありながら、中心にたくさんの穴がある多孔質繊維で、十分な空気を含むことができるようになっています。この穴のおかげで空気をふんわりと抱き込み、保温性と弾力性に優れ、とにかくふっくらと柔らかくて軽いのです。吸湿性と放湿力はウールの2倍とも言われ、特に吸湿性は天然繊維の中で最も高く、40%前後の水分を吸ってもムレを感じさせないとされています。汗をかいてもよく吸収し、濡れ感がありません。

豆知識: ベビーキャメル?
生後半年までの子どものふたこぶラクダの毛(キャメル)のこと。1頭につき、一生のうちに1回しか取ることができません。大人のキャメルよりも柔らかく、暖かくて軽い素材です。

キャメルの特徴

    • 抜群の保湿性・弾力性で、ふんわりとした肌触り
    • 軽くて柔らかく、手ざわりがよい
    • 汚れにくくヘタリにくい
    • 独特の光沢があるラグジュアリーな雰囲気
    • 染色性・漂白性が悪く、ほとんどがナチュラルカラーのラクダ色
    • 元に戻ろうとする反発力があり、フェルト化しにくい

お手入れ・取り扱いの注意

    • ウールなどと同様に虫害を受けやすいため、保管時は風通しが良く、湿気の少ない場所で防虫剤を使用しましょう。
    • アルパカのように長毛のために毛乱れが発生しやすいので、着用後は軽くはたいてホコリを落とし、ブラッシングして毛並みを揃えてください。
    • 毛が抜けやすいので、着用中の摩擦はできるだけ避けてください。また、静電気で毛が抜けやすくなるため、静電気防止スプレーで予防することもおすすめです。
    • 自宅で洗濯する場合は、手洗いをしてください。お湯で洗うと縮みの原因にもなるため、一定の温度に保った水で洗うと型崩れも防止できます。洗いすぎると油分が抜けてしまうため、頻繁な洗濯は避けましょう。

アンゴラとモヘヤ

ふわっふわなウサギなの?くるくるカールな山羊なの?

「アンゴラ」には、ふたつの意味があるって知っていましたか?

アンゴラうさぎ(angora rabbit)と、アンゴラ山羊(angora goat)がいて、それぞれ毛が繊維として用いられています。一般的には「アンゴラ」というときはアンゴラうさぎの毛を指します。では、アンゴラ山羊の毛はというと「モヘヤ」と呼ばれています。

アンゴラうさぎの「アンゴラ」

もっさりフワッフワなうさぎが、アンゴラうさぎです。見るからに繊維が細くて(12~15μ程度)、長くて肌触りが良さそうですが、その分、毛が抜けやすくデリケートです。アンゴラ100%の商品はあまりなく、ウールや化学繊維と混紡されて製品化されています。保湿力はウールの3倍とも言われ、ウールよりも柔らかい、絹のように細くて豪華な雰囲気の素材です。

アフリカ南西部にアンゴラ共和国がありますが、アンゴラうさぎとは全く関係がありません。アンゴラとは、トルコの首都・アンカラ地方の昔の呼び名で、そのアンゴラ地方原産のうさぎがアンゴラうさぎというわけです。現在の主な産地は中国で、世界総生産量の約95%を生産しているそうです。

アンゴラの特徴

    • 保温性が高い
    • 毛の中心が空洞なため、軽くて弾力性に富む
    • 毛が白く、絹のような光沢でなめらか
    • 柔らかく長い毛で、ふわふわな質感
    • 表面がなめらかで、毛が滑って抜けやすい
    • 静電気が起きやすい
    • 摩擦すると毛羽がからんでピリング(毛玉)になりやすい

お手入れ・取り扱いの注意

    • ウールなどと同様に虫害を受けやすいため、保管時は風通しが良く、湿気の少ない場所で防虫剤を使用しましょう。
    • アルパカのように長毛のために毛乱れが発生しやすいので、着用後は軽くはたいてホコリを落とし、ブラッシングして毛並みを揃えてください。
    • 毛が抜けやすいので、抜け毛が目立たないような服装がおすすめです。着用中の摩擦はできるだけ避けて、毎日着用しないようにしてください。また、静電気で毛が抜けやすくなるため、静電気防止スプレーで予防すると良いでしょう。

アンゴラうさぎとは違う、アンゴラ山羊の「モヘヤ」

モヘヤ(英: mohair)は、モヘヤでもモヘアでも間違いではありません。カシミヤと同じように、家庭用品品質表示法の指定用語では「モヘヤ」と表記されていますが、なぜかモヘアの方が一般的に使用されているようです。

アンゴラうさぎと同じように、トルコのアンゴラ(アンカラ)地方を原産とする「アンゴラ山羊」から採取した毛のことをモヘヤと言います。現在は、トルコ、南アフリカやアメリカが三大原産国ですが、特に南アフリカが世界一の品質と生産量(全体の約50%)を誇っています。1頭から採れるモヘヤは250g程度しかなく、貴重な繊維のひとつです。

絹のような純白の光沢とコットン(綿)よりも吸湿性が高く、外気温の影響を受けにくいため、夏用のスーツ生地としても人気があります。

豆知識: キッド・モヘヤ?
生後6~7か月ほどの子どものアンゴラ山羊から採取される毛のことで、最高の光沢と柔らかさがあります。

アンゴラ山羊の特徴

    • 羊毛よりも太くて固い繊維のため、チクチク感じることもある
    • 毛が長く、抜けやすい
    • 断熱性・保温性に優れている
    • 絹のような美しい光沢感があり、なめらか
    • 手触りがよく、柔らかい
    • 静電気が起きやすい

お手入れ・取り扱いの注意

    • ウールなどと同様に虫害を受けやすいため、保管時は風通しが良く、湿気の少ない場所で防虫剤を使用しましょう。
    • アルパカのように長毛のために毛乱れが発生しやすいので、着用後は軽くはたいてホコリを落とし、ブラッシングして毛並みを揃えてください。
    • 毛が抜けやすいので、着用中の摩擦はできるだけ避けてください。また、静電気で毛が抜けやすくなるため、静電気防止スプレーで予防することもおすすめです。

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