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甚大な被害をもたらす「粉じん爆発」とはなにか – クロスワーカーは帯電防止服・静電気帯電防止靴の普及を推進しています

甚大な被害をもたらす「粉じん爆発」とはなにか – クロスワーカーは帯電防止服・静電気帯電防止靴の普及を推進しています

2017年12月、静岡県にある化学工場の印刷インキ用樹脂製造棟にて爆発・火災が発生し、製造棟が全壊・全焼し2人が死亡、13人が重軽傷を負い、周辺住民にも多大な不安と影響を及ぼす重大事故となりました。それから3年以上の捜査の結果、静岡県警は2021年1月25日、当時の工場長ら7人を粉じん爆発を防ぐための安全対策や注意義務違反があったとして業務上過失致死傷の疑いで書類送検したと発表しました。

事故原因は「静電気による粉じん爆発」と結論づけられています。

事故から3年以上に及ぶ捜査の結果、なぜ事故は起きてしまったのか

当時、紙にインキを定着させる樹脂を製造する4階建ての工場棟の1階では、原料の樹脂を粉砕して発生する粉じんを、包装用袋に詰める作業が行われていました。この作業中に発生した静電気が樹脂の粉じんに着火したことなどで起きたことから、作業員の着衣や靴に帯電していた静電気、または粉じんを詰める際の放電によって爆発が発生したとされています。

この工場では重大事故が発生する1年2カ月前にも、同じ場所で小規模な爆発があったにも関わらず、十分な原因究明と再発防止策がされていませんでした。

静電気による粉じん爆発を防ぐ措置や対策には、爆発物である粉じんの除去と発火源の排除が重要です。例えば、作業員の制服には帯電防止性能のある作業着や作業靴を支給し、着用を義務付けることも有効な対策です。クロスワーカーでは粉じん爆発を防止するために、帯電防止服・静電気帯電防止靴の普及を推進しています。作業員の命を守るために、企業や工場は「粉じん爆発」の安全対策・安全教育を徹底するべきです。そのためには、なぜ粉じん爆発が起こるのか、確認していきましょう。

「粉じん爆発」には3つの条件が揃わなければいけない

死亡者が出てしまうほどの重大事故につながる粉じん爆発(粉塵爆発、ふんじんばくはつ)とは、一体なんなのでしょうか。

粉じん爆発とは、ある一定の濃度の可燃性の粉塵が大気などの気体中に浮遊した状態で、火花などにより引火して爆発を起こす現象です。粉じん爆発が起きるためには、粉じん雲・着火元・酸素の3条件が揃わなければいけません。

1つめの条件: 粉じん雲

粉じんには、穀物類(小麦粉など)、炭じん(炭塵=たんじん)、金属粉(マグネシウム、アルミニウム、鉄)などがあります。粉じんの粒子が大気中に一定の濃度で浮遊している状態を、粉じん雲といいます。

粉じんの粒子が小さく細かくなるほど、大気中に浮遊する時間が長くなり、着火に必要なエネルギーが小さく、爆発の危険性が高まります。ただし、粉じん雲の濃度によって爆発が起きるかどうかが決まります。

粉じん雲の中で粒子間の距離が遠すぎると、燃焼が伝播せず、爆発はおきません。また、粉じんの密度が濃すぎても、燃焼するための酸素が足りなくて燃焼が継続できず、爆発は起きません。そのため、大気中の粉じんの濃度(密度)が重要なポイントなのです。

粉じん濃度の範囲の限界を「爆発限界」(または燃焼限界)といい、「爆発下限界」と「爆発上限界」の2つがあります。粉じん雲が着火する最小の粉じん密度を「爆発下限界」、燃焼が継続できる最大の粉じん密度を「爆発上限界」、そしてこの範囲を「燃焼範囲」といいます。

2つめの条件: 着火元

粉じん爆発を防止するために重要なポイントは、粉じんの着火に必要となるエネルギー(最小着火エネルギー)です。最小着火エネルギーを超える強度の着火元を発生させないように対策をすることが、事故の予防につながります。

粉じん爆発が開始するためには、一定上のエネルギーを与えて着火が起こることが必要です。この着火に必要な最小のエネルギー(=最小着火エネルギー)は、粉じん雲の濃度に依存します。

また、粉じんの着火に必要となるエネルギーは主に保守点検や作業時の火花、それに静電気が元で起こる火花です。静電気は人や物が動くと発生し、帯電した人や物から火花放電が起こることがあります。

3つめの条件: 酸素

大気中に21%存在する酸素は、粉じんを発火させるのに十分な酸素量です。ただし「1つめの条件: 粉じん雲」でご説明した通り、浮遊する粉じん濃度が高く、酸素濃度が低下すると爆発は発生しません。この酸素濃度を「限界酸素濃度」といいます。限界酸素濃度以下の条件では、粉じん爆発は発生しないことになります。

限界酸素濃度は、一般的にはゼロではない値です。多くの有機粉じんは、酸素濃度 12~13%以下の環境では粉じん爆発が発生しません。有機物の微粉末や、金属粉末など特殊なものは、わずか数%の酸素濃度でも爆発を引き起こすとされていますが、酸素濃度を完全にゼロにしなくても、限界酸素濃度以下にできれば粉じん爆発の発生を防止することができます。

小麦粉でも発生する粉じん爆発

家庭の料理でもよく使われる小麦粉や砂糖。その身近な粉末でも粉じん爆発が起こってしまうって、ご存知ですか?

小麦粉の袋を開けようとして勢いよく飛び散ってしまい、空気中に粉じん雲ができてしまい、そこに運悪く静電気が発生したら…

安心して食べている小麦粉や砂糖でも、粉じん爆発に必要な3条件が揃ってしまうことがあります。身近な物だからこそ、取り扱いには注意が必要です。

粉じん爆発の3条件が揃うと、どんなプロセスで爆発が起こるのか

空気中に粉じん雲が形成され、そこに着火が起こると、粉じん爆発の発生要件が揃います。空気中の粉じん粒子に熱エネルギーが加えられることによって表面温度が上昇し、発火します。すると連鎖的に粉じん粒子に熱と火炎が伝播して燃焼し、最終的に粉じん爆発を引き起こすのです。

ひとたび粉じん雲に着火してしまえば、粉じん雲の中を火炎が伝播し、急速な温度上昇によって圧力も上昇します。その結果、圧力上昇による建物や機材の破壊、周囲へ圧力波(暴風)が伝播して破壊物が飛散し、燃焼による損害が発生してしまいます。

粉じん爆発の激しさ、被害を考えるときに重要な指標が、最大圧力上昇速度と、最大爆発圧力です。

最大圧力上昇速度(爆発指数)は、圧密閉容器内で粉じん爆発を発生させたときに、圧力が上昇する速度の最大値を測定します。最大圧力上昇速度は、その容器の体積が大きいほど小さくなる傾向があります。

また、最大爆発圧力は、密閉用機内で粉じん爆発を発生させたとき、容器内の圧力がどこまで上がるかを測定した値です。閉塞性が高い環境で粉じん爆発が発生した場合、より高圧になり被害が大きくなる恐れがあります。

爆発の危険性については、2002年にJIS規格で測定法が制定されています。

JIS Z8817 可燃性粉塵の爆発圧力及び圧力上昇速度の測定方法
JIS Z8818 可燃性粉塵の爆発下限濃度測定方法

粉じん爆発の発生を防止するために

粉じん爆発事故が発生した場合、人的被害、設備被害の両面で極めて甚大な被害をもたらします。しかし、粉じん爆発は、粉じん雲・着火元・酸素の3条件が揃わなければ爆発は起きません。つまり、それぞれの条件に対してしっかり対策を行えれば、事故を防止することができます。

粉じん爆発の着火元(発火原因)のひとつに、静電気があります。そのためクロスワーカーでは粉じん事故の防止対策として、帯電防止服・静電気帯電防止靴の普及を推進しています。

粉じん対策をお考えでしたら、クロスワーカーは着火元管理として、静電気の帯電を防止する作業着や作業靴をご提案しています。

法人向けの静電気帯電防止作業服、静電気帯電防止靴のご提案について、お気軽にお問い合わせください!

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