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最強寒波到来のいま太平洋ではラニーニャ現象が継続中!2021年夏はどうなるのか?

最強寒波到来のいま太平洋ではラニーニャ現象が継続中!2021年夏はどうなるのか?

日本は2020年末から厳しい寒さと大雪に見舞われ、今週末も冬型気圧配置が続き、強烈寒波で冬の嵐が予報されています。北日本や東日本など広範囲で記録的な大雪・暴風雪に警戒が必要です。今週末も引き続き、暴風雪や暴風、高波だけでなく、路面凍結、猛吹雪や吹きだまりによる交通障害にも注意して、命を守る行動を心がけてください。

さて、こんなにも寒い天候にラニーニャ現象が関係しているのでしょうか?

気象庁による「最新のエルニーニョ監視速報」によれば、

  • 2020年夏からラニーニャ現象が続いているとみられる。
  • 冬の間はラニーニャ現象が続く可能性が高い(90%)。春は平常の状態になる可能性もある(40%)が、ラニーニャ現象が続く可能性の方がより高い(60%)。

とされています。エルニーニョ現象・ラニーニャ現象とは何かを知れば、ラニーニャ現象の影響による今週末の強烈寒波の理由や、2021年夏の気候も見えてきます!

エルニーニョ現象とラニーニャ現象

エルニーニョ現象とラニーニャ現象は、お互いにコインの表と裏のような密接な関係にあり、切り離して考えることはできない現象です。

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。

  • エルニーニョ現象 = 海面水温が平年より高い現象
  • ラニーニャ現象 = 海面水温が平年より低い現象

エルニーニョ現象やラニーニャ現象は、日本を含め世界中の異常な天候の要因となり得ると考えられています。

出典:気象庁「エルニーニョ/ラニーニャ現象とは」

図1は、典型的なエルニーニョ現象と、ラニーニャ現象が発生している時の太平洋における海面水温の平年偏差の分布を示しています。平年値は1981〜2010年の30年間の平均;赤が平年より高く、青が平年より低く、色が濃いほど平年偏差が大きいことを表します。

左の図は、1997/98年のエルニーニョ現象(1997年春に発生、1998年春に終息)が最盛期にあった、1997年11月における海面水温の平年偏差です。右の図は、1988/89年のラニーニャ現象(1988年春に発生、1989年春に終息)が最盛期にあった、1988年12月における海面水温の平年偏差です。

日付変更線(経度180度)の東から南米沿岸にかけての赤道沿いで、赤あるいは青の色が濃く、海面水温の平年偏差が大きくなっていることが確認できます。

ラニーニャ現象の確率は90%で、世界の天候にも影響が

2020年11月のエルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値より低い値で、基準値との差は-1.2℃でした。これは前回2017年秋〜2018年春のラニーニャ現象時に匹敵する規模です。下の表において、「2020年11月(平均期間2020年9月〜2021年1月)」の「ラニーニャ現象(青)に入る確率」が90%となっています。

世界の天候に目を向けてみると、メラネシアの高温、ペルー南部からチリ北部にかけての低温、南米中部の少雨がラニーニャ現象時の特徴に一致していることが確認されています。

では、ラニーニャ現象が起きると、日本の天候はどのような影響を受けるのでしょうか?

上表: 気象庁 エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率(予測期間:2020年10月〜2021年4月)
5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率(%)

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が、+0.5℃以上/-0.4℃〜+0.4℃/-0.5℃以下の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示しています。

気象庁の定義では、5か月移動平均値が+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態で、6か月以上持続した場合にエルニーニョ(ラニーニャ)現象の発生としていますが、エルニーニョ監視速報においては速報性の観点から、実況と予測を合わせた5か月移動平均値が+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態で6か月以上持続する場合に「エルニーニョ(ラニーニャ)現象が発生」と表現しています。

太平洋熱帯域の大気と、海洋の変動

ラニーニャ現象が日本の気候に影響を与える理由を確認していきましょう。平常時とエルニーニョ現象、ラニーニャ現象時では、東風(貿易風)の強さや、冷たい海水の湧き上がりに違いがあります。

太平洋の熱帯域では、貿易風と呼ばれる東風が常に吹いているため、海面付近の暖かい海水が太平洋の西側に吹き寄せられています。

西部のインドネシア近海では海面下数百メートルまでの表層に暖かい海水が蓄積し、東部の南米沖では、この東風と地球の自転の効果によって深いところから冷たい海水が海面近くに湧き上っています。このため、海面水温は太平洋赤道域の西部で高く、東部で低くなっています。

海面水温の高い太平洋西部では、海面からの蒸発が盛んで、大気中に大量の水蒸気が供給され、上空で積乱雲が盛んに発生します。

エルニーニョ現象が発生している時には、平常時よりも東風が弱くなり、西部に溜まっていた暖かい海水が東方へ広がるとともに、東部では冷たい水の湧き上りが弱まります。

このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも高くなります。エルニーニョ現象発生時は、積乱雲が盛んに発生する海域が平常時より東へ移ります。

ラニーニャ現象が発生している時には、平常時よりも強い東風が吹き、西部に暖かい海水がより厚く蓄積します。また、東部では平常時より冷たい水の湧き上がります。

このため、太平洋赤道域の中部から東部では、海面水温が平常時よりも低くなります。ラニーニャ現象発生時は、インドネシア近海の海上で積乱雲がいっそう盛んに発生します。

ラニーニャ現象で日本の夏は気温が上がり、冬は気温が下がる⁉︎

ラニーニャ現象が発生すると、インドネシア近海の西太平洋熱帯域の海面水温が上昇し、西太平洋熱帯域で積乱雲の活動が活発となります。

このため日本付近では、夏季は太平洋高気圧が北に張り出しやすくなり、気温が高くなる傾向があります。沖縄・奄美では南から湿った気流の影響を受けやすくなり、降水量が多くなる傾向があります。

そして、冬季には西高東低の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向があります。ラニーニャ現象は過去2010-11年にも確認されていますが、2011年の冬も記録的な寒波で、東京でも12月30日初雪が降ったり、鹿児島市内でも22cmの積雪が観測されました。このことからも、2020年末から今日までの最強寒波の影響はラニーニャ現象の影響であるとも考えられます。

2021年夏は…

ラニーニャ現象は現在の予測では、春にはまだ続く可能性が指摘されています(春に通常に戻る確率40%、ラニーニャ現象が続く確率60%)。

これまでのラニーニャ現象後の日本の夏は、平年を上回る平均気温となり、記録的な猛暑に見舞われました。今回のラニーニャ現象は、前回2017年秋〜2018年春のラニーニャ現象に匹敵する規模であると上述しましたが、2018年の夏は埼玉県熊谷市で最高気温41.1度を記録しています。

過去の事例を見ると、あくまでも個人の予想になりますが、2021年の夏も厳しい暑さになるのではないかと考えられます。

猛暑や熱中症への対策、台風などの災害対策は早めに準備しましょう

ラニーニャ現象による猛暑が考えられる場合、暑さ対策・熱中症対策はもちろん、台風などへの災害対策は必須です。もし仮にラニーニャ現象が春には平常時に戻ったとしても、夏の対策はマストですから「自分の安全を守る・社員の安全を守る・家族や大切な人の安全を守る」ためにも、早めに準備を進めていきましょう。

クロスワーカーでは働く皆さまの安全・安心・健康が守られる製品を販売しています。今後、2021年の暑さ対策・熱中症対策・災害対策に関する最新商品や、夏の対策に役立つ情報もご紹介していきますので、ぜひチェックしてください!